昭和18年9月27日、十和田湖に墜落した旧日本陸軍練習機。乗員4名の内1名のみ救助。3名の乗員は未だ機内の中、静かに湖底に眠っているとされる。長年の間には色々な墜落情報、引揚げ計画が存在したらしいが、明確な情報は得られず現在に至っている。歴史の一コマではありますが、私達が歩んだ昭和史を今一度想起して、3名の英霊に鎮魂歌として捧げたいと思います。
ウインディーネットワーク海洋調査部は、2010年7月12日~8月12日の間、十和田湖の総合的計測調査を実施いたしました。
弊社ソフトウェア【3D-GeoLet】によ生成された十和田湖の3D画像
折も折、8月15日、65回目の終戦記念日を迎えようとしている直前に発見されたのも何かの縁と思い深く感動した私達は、この現代の繁栄的世相を見るにつけ、昭和の歴史の中で御苦労された先人先輩、とりわけ今回の永眠しておられるであろう3名の方々に改めて感謝と追悼の意を捧げたいと思いました。本来の調査業務外の事ではありましたが、取り急ぎ水中カメラの撮影を行い、デジタルデータとは別に、水中の機(旧陸軍1式双発高等訓練機)のビデオ撮影に成功しました。水温が約4℃の貧栄養湖の湖底では、微生物の発生も少なく保冷状態で機体の腐食も殆どない完全な姿で発見されました。当時の飛行機がほとんど残っていないことから引き揚げが計画されており、弊社としても全面的に協力する事になっています。
2010年8月12日14:00より 報道関係各社様にお集り頂き、株式会社東陽テクニカ テクノロジーインターフェースセンターにて記者会見を行いました。その様子はその日のNHKニュースでも取り上げられ、その後「ミヤネ屋」「Super J チャンネル」「バンキシャ!」・・・などで特集を組まれる程のニュースとなりました。
そして2012年、発見から2年半経ち、機体の引き上げに無事成功しました。
69年の歳月に思いはせ
2010年8月、青森県十和田湖の湖底学術調査の際、湖底に沈むほぼ完璧な形の旧陸軍機を発見し、大きな話題となりました。
縁があり、㈱青洋建設高橋会長、青森県立三沢航空科学館大柳館長と3者で、この大型陸軍機を歴史遺産として残そうと2012年9月5日引揚げを開始、2度目のチャレンジでしたが見事に成功しました。引き揚げられた機体は、青森県立三沢航空科学館に展示され、オープンイベントではテープカットを行いました。
【十和田湖湖底調査】水中ドローン
2010年、海底に沈む機体発見時の水中ドローンによる撮影を行いました。【十和田湖湖底調査】機体発見~引揚げ
十和田湖の総合的計測調査をした際、湖底に沈む飛行機の形を確認、2年後には引き上げに成功した。【十和田湖湖底調査】機体着水CG
十和田湖着水までの飛行予想シミュレーションを、立体地形図で作成しました。